オリーブ農家と挑むサステナビリティへの挑戦

ここ10年でイタリアの零細オリーブ農家の数が激減しています。統計調査の結果によると、イタリア全土の約1/3に当たる約30万戸ものオリーブ農家が2010年から2020年の間に廃業に追い込まれました。


地中海地域で古代文明の時代から無病息災、長寿の万能薬として重宝されてきた高品質なオリーブオイルは、いまや絶滅の危機に瀕しています。


オリーブオイルを取り巻く環境、気候変動、業界の構造的な課題など、年々深刻化する問題に光をあてて、農家のサステナビリティと真剣に向き合いたい。そんな念いから、イタリア語で「挑戦者」を意味する”Lo Sfidante”というプロジェクトを立ち上げました。

”ホンモノ”のオリーブオイルとの出会い

私が初めて”ホンモノ”のオリーブオイルに出会ったのは、2022年秋のイタリア旅行中のこと。友人の家に招かれて、夕食に出されたパンにつけて食べた”ホンモノ”のオリーブオイルの風味に強い衝撃を受けました。フレッシュな香りと独特の辛みが一気に口の中に広がり、「僕が知っているオリーブオイルの味と全く違う!」と感動したのを鮮明に記憶しています。イタリア人の友人から、高品質なオリーブオイルの摂取が健康維持にどれほど有益であるか、そして近年では高品質な”ホンモノ”がどんどん貴重なものになってしまっている、という説明を受けました。

関心を持ってオリーブ栽培に関する話をしていく中で、地元のオリーブ農家を紹介してもらい、彼らからビジネスの現状について直接話を聴く機会を何度​も設けてきました。


浮き彫りになった課題

友人の紹介でオリーブ農家やオイルの製造現場を巡り、専門家の方々と交流を深めながら勉強を続けていくと、次第にオリーブオイル業界における課題が見えてきました。

「エキストラバージン」に分類される高品質なオリーブオイルは、その基準が国ごとに定められていますが、残念ながら市場に出回っている商品の多くがその基準を満たしていない、という現状があります。基準通りの「エキストラバージン」に該当する商品は全体の約10%ほどしかない、というデータもあり、われわれ消費者の立場からも”ホンモノ”の高品質なオリーブオイルを自ら選び、購入するためには、ある程度の知識が必要です。

こうした状況下では、高品質なオリーブオイルを真面目に生産し続ける零細農家は価格競争に巻き込まれ、経営が赤字化するため、やむを得ず廃業する農家が後を絶ちません。

さらに追い討ちをかけるように、近年の「地球沸騰化」によって主要なオリーブ生産国は2022年、2023年と2年続けて記録的な不作に見舞われています。


オリーブ農家と挑む、サステナビリティへの挑戦

まずは、”ホンモノ”のオリーブオイルについて選び方の知識だけでなく、実際の味を一人でも多くの人に知ってもらうこと、日常の食生活にうまく取り入れることでより健康なれることを実感してもらうことを目指しています。情報発信やオリーブオイルの輸入販売事業を準備中です。


サステナブルなビジネスモデルを創出するために、コミュニティの形成や新たな技術を取り入れたエコシステムの構築を目指しています。One Globalで仲間を募り、NFTやAI技術を活用しながらプロジェクトを進めたいと考えています。


安心安全で高品質なオリーブオイルを誰でも簡単に選ベて、生産者の飽くなき挑戦を応援しながら健康的な食生活が続けられる世界 ー その実現に向けた私の挑戦は、まだ始まったばかりです。

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